ポジティブな職場風土に変わる「楽しさ」「やりがい」が見つかる働き方
2021年1月1日

 「重要」な仕事と「急ぎ」の仕事を図のように4象限に分けた時、仕事の優先順位の正解は<第1エリア>→<第2エリア>→<第3エリア>→<第4エリア>の順です(重要な仕事を優先する)。

 

 

 ところが現実には<第3エリア>を2番目として仕事をしている人が多数います。この方々は、「重要でない急ぎのことをさっさとこなして重要な仕事にじっくり取り組む」という考え方のようです。つまり、「急ぎ」の仕事を優先するという働き方です。しかし、重要でない急ぎの仕事というのは日々数多く発生するので、結果として1日の大半を「急ぎ」つまり「せかされる」の仕事に費やしてしまうことになります。このような働き方で、仕事に対する「楽しさ」や「やりがい」は見つけやすいでしょうか。

 

 また、若い世代に多いのですが、「とっつきやすい仕事からこなす」という働き方も見受けます。「とっつきやすい仕事=すぐできる仕事=重要でない仕事」であることが多いので、この働き方は<第3エリア><第4エリア>に多くの時間を割くことになります。雑務とまでは言いませんが、重要でない仕事に1日の大半を費やす働き方で、仕事に対する「楽しさ」や「やりがい」が見つけやすいでしょうか。

 

 「1日がもし25時間になるとしたら、あなたは増える1時間を何に使いますか?『眠る』以外で答えてください。」との質問に、「溜まっている仕事をこなす」という回答をする人はほとんどいません。「家族との時間に使いたい」、「健康のための時間に使いたい」、「趣味の時間に使いたい」、「自己啓発の時間に使いたい」…。ほとんどの回答は「重要ではあるが急ぎではない」こと、すなわち第2エリアの内容なのです。

 

 これは、1日24時間の中で、第2エリアで使う時間が長ければ長いほど充実した幸せな人生になる確率が高いということを表しています。仕事で言えば、第2エリアの内容の仕事で多くの時間を働くほど、仕事の「楽しさ」や「やりがい」を見つけやすいということです。

 

 メンバーがポジティブに働く職場風土にするには、全てのメンバーが第2エリアの仕事を中心として働けるような仕事の割り振りを考えなければなりません。自分自身が第2エリアで仕事をするように段取りすることはもちろん、部下や後輩に対して「急ぎの仕事(=第1・3エリアの仕事)」や「作業が中心の下請け仕事(=第3・4エリアの仕事)」を与えるのではなく、第2エリアの仕事を任せることが重要です。その為には、「重要でない仕事を減らすこと」、「重要な仕事は急ぎにならないようにしっかり段取りして進めること」の2つを実践し、第2エリアの時間を拡大することが必要です。

西嶋 衞司

Eiji Nishijima